仮想通貨のボラティリティーと収益率のランキング そして伝説へ
暗号通貨CCI管理人のあっくです。
「仮想通貨はボラが大きい」
こんな言葉を耳にしたこと、あると思います。
例えば、昨日のビットコイン価格が730,000円で、今日の価格が630,000円だった場合はボラティリティは高いと言えますし、今日の価格が730,500円程度なら、ボラティリティは低いと言えるでしょう。
このように、ボラティリティーは広い意味で「価格の変動の激しさ」と解釈できるのですが、過去の通貨価格を元に計算して数値化することもできます。
そして数字として表すと、仮想通貨同士のボラティリティーを比較したり、皆さんが好きなランキングを作ることも可能です。
仮想通貨ボラティリティーランキングって、面白そうじゃないですか?
ですが今回は、もっと壮大で、おそらく誰も取り組んだことのない革新的なことを計画しています(自分でハードルを上げていくスタイル)。
ボラティリティーを計算する過程で、収益率(対数収益率)というものを計算できるため「ボラティリティーと収益率を軸とした表に各仮想通貨を乗せてみたい」というのが狙いです。
たとえばTetherは、USドルの価格に調整された仮想通貨のためボラティリティーは低く、収益率はプラスもマイナスもない中立と予想できるため、表の左中央に置かれるはずです。その他の通貨についても、全て表のどこかに配置されることになります。
こんなことをやって何の意味があるのかというと、、
真の狙いは、各通貨に適した資産の増やし方を見つけることです。
たとえば、ボラティリティーの高い通貨はテクニカルを用いたトレードやアービトラージに向いていると言え、一方ボラティリティーの低い通貨はトレードせずにガチホし続けることで、将来的に大きなリターンが見込めるはずです。
このような、仮想通貨の増やし方の分類に挑戦したいと考えています。
小難しい用語も出てくるかもしれませんが、最後までお付き合い頂けたら幸いです。

目次
金融工学としてのボラティリティー
ボラティリティーにはいくつかの定義が存在しますが、今回はヒストリカル・ボラティリティーを用いることにします。
wikipediaでボラティリティーを調べると、株価を例とした次のような解説が出てくるのですが、「株価」を「仮想通貨の価格」に置き換えると、そのまま仮想通貨に当てはめて計算できます。
収益率としては、色々と都合の良い対数収益率というものを使います。
参考まで、価格の対数収益率(=対数差分)は、上の説明の途中で出てきている次の式で計算できます(自然対数)。
ボラティリティーの可視化と数値化
まずはイメージしやすいように、代表的な仮想通貨(BTC、ETH、XRP、USDT)の価格チャートと、対数収益率(以降、収益率)のグラフをお見せします。
なお、本記事で使用する仮想通貨の価格はすべて日々の終値(2018/8/1から10/31まで)です。
収益率のギザギザが大きいほどボラティリティーは高いため、XRPが最も高くてUSDTが最も低いという、価格チャートに対応した結果になっていることが見て取れます。
次に、ボラティリティーと収益率を数値化してみます。
ランク | 通貨 | ボラ | 収益率 |
---|---|---|---|
1 | ![]() |
2.318 | -0.192 |
2 | ![]() |
5.049 | -0.834 |
3 | ![]() |
9.132 | -0.009 |
10 | ![]() |
0.649 | 0.019 |
ボラ(ボラティティー)を見ると、確かにギザギザの大きさに比例した数字になっていることが分かります。
収益率では、ETHが大きなマイナスとなり、こちらも価格チャートが示す結果と言えます。
そして、この結果を分類表の上に乗せると、次のようになります。
時価総額上位通貨のボラティリティと収益率
上の例では、代表的な4通貨のみを対象にしましたが、一気にいきます!
時価総額上位300位までの仮想通貨に対して同じ計算を行いました。
ただし、8/1から10/31までの価格データが存在する通貨に限ります(歯抜けあり)。
- 下の表の見出しをタップ(クリック)すると、各項目で並び替えができます。
- 縦長の表でスクロールが大変なので、表示/非表示ボタン をご用意しました。
- コインのシンボル名をタップすると、通貨の詳細ページへ移動できます。
ボラティリティーと収益率のプロット結果
横軸がボラティリティーで縦軸が収益率のグラフに、仮想通貨のロゴをプロットした結果です。
時価総額が高いものが上にくるように重ねています。
上のグラフは、ロゴが重なりすぎて見づらいため、時価総額50位毎に区切ったものも用意しました。
プロットした結果の検証
特徴的な仮想通貨を確認してみたいと思います。
まず、ボラティティーの低い3つを見ると、全てUSドル価格に調整された仮想通貨と分かりました。
次に、ボラティティーの高い通貨トップ3。
それぞれ、価格チャートに大きな山と谷が頻繁に現れていることから、ボラティリティーが非常に高いことが見て取れます。
次に、収益率ワースト3。
グラフ縦軸の目盛りと右肩下がりの価格チャートが示す通り、非常に残念な感じです。
最後に、最も収益率が高く、8月から10月にかけて優秀だった通貨。
DGTXの収益率はダントツでした(グラフにプロットしていません)。
通貨に適した資産の増やし方
●ガチホについて
先ほどご紹介した収益率の高い上位3通貨は、売らずに持ち続けることで大きな利益となりますが、トレード(手放して買い戻すなど)してしまうと、利益を下げる結果となります(LOKIは10月に手放して買い戻すチャンスあり)。
収益率トップのDGTX(Digitex Futures)は、8月から10月末までの3ヶ月で、価格が20倍になっています。
こんな素敵な通貨に出会うことは滅多にありませんが、仮想通貨市場全体が落ち着いているこのタイミングでも、チャンスは存在しているようですね。
収益率が高い割にボラティリティーが低い通貨は、ガチホ向きと言えるでしょう。
●トレードについて
ボラティリティーの高い通貨に関しては、テクニカルを用いて価格の上がり下がりを狙ってトレードすると面白そうです。
市場の性質や「仮想通貨トレーダーのほとんどが素人ばかり」という背景もあり、仮想通貨のトレードはテクニカル通りにいかないことも多いようですが、これから市場がさらに成熟して機関投資家なども参入してくると、仮想通貨トレードはますますアツくなって来るはずです。
テクニカルやトレードについては、Googleのおすすめ記事にも選ばれた、以下の記事もご覧ください。
●アービトラージについて
ボラティリティの高い通貨は取引所間で価格差が生じやすいため、アービトラージに向いていると言えます。
逆説的な補足として、USDT(Tether)は、価格が一定に調整され、取引所間の価格差が小さい(→ボラティリティーが低い)ため、アービトラージを狙うには不向きと分かります。
例えば、スマホアプリ・ワールドトレーダーのAI全自動アービトラージでは、扱う取引所とコインを自分で設定することができますが、ボラティリティーの高い通貨を選んだ方が利益が出やすい思われます。
しかしながら、アービトラージの発生には「トレードに使用する金額」「使用する取引所の規模」「対象通貨の時価総額や取引量」など様々な要因が絡み合うため、あらかじめ予測するのは難しいと言えます。毎月安定して入るタイプの収入ではなく、準備していた人だけがその恩恵を受けることの出来るボーナスのように捉えています。
上のイメージは、AI全自動アービトラージで、取引所POLONIEXとYObit間のNEM/BTCトレードでの往復のアービトラージが発生した例です。調べてみると、11/12と11/15の価格の乱高下のタイミングでアービトラージが発生していることが分かりました。
仮想通貨市場の動きが活発になり盛んにトレードされると、ボラティリティーの上昇を伴って各取引所間で価格差が生じます
そして、仮想通貨市場は、第二、第三、第四と波を作りながら、成長していくと予想しています。
次の波が来るのは、明日なのか、年明けなのか、もっと先のことなのか、、それは誰にも分かりませんが、アービトラージの理解を深めて準備しておくと、次の波に乗ることが出来るかも知れません。
(無料期間は終わった模様です)
最近、「アービトラージで毎月10%増やしてくれる仕組みがあるのだけれど、どう思いますか?」と質問されることが多々あります。
「分かりません」としかお答えできないこと、ご了承ください m(_ _)m
まとめと今後について
「ボラティリティーと収益率をグラフ上にプロットする」という当初の目的を果たし、数字として示すこともできました。
仮想通貨のボラティティーと収益率について調べたわけですが、所詮は過去のデータに過ぎないのかも知れませんし、各仮想通貨の特徴を表すバロメータになるかも知れません。
そのことを調べるために、過去1週間 / 1ヶ月 / 3ヶ月 などの期間毎に、計算結果をサイトに載せてリアルタイムで確認できるようにする予定です。
また、「仮想通貨の増やし方を分類したい」と息巻いていましたが、「過去のデータが示す傾向」としか言いようがないため、こちらも今後の課題にしたいと思います。
引き続き取り組み、また報告させて頂きます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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