【第2回】DeFiのメリット・デメリット
あっくさんと一緒に暗号資産のリサーチをしている、DeFi×NFT研究家のびぎんと申します。
記念すべき第1回目の講座では「DeFi(分散型金融)とは」ということをテーマに書きました。
第2回では、DeFi(分散型金融)のメリット・デメリットについて解説します。
- 【第1回】DeFi(分散型金融)とはなにか
- 【第2回】DeFiのメリット・デメリット(DeFi運用のリスクも含む)
- 【第3回】DeFiサービスの種類(ETH系、BSC系) について
- 【第4回】国内取引所からバイナンスへの送金方法
- 【第5回】バイナンスの使い方 (BNBの購入方法)
- 【第6回】Safepalの使い方 (アプリのインストールから設定方法まで)
- 【第7回】PancakeSwapの使い方
- 【第8回】DeFi運用までの流れ1(準備編)
- 【第9回】DeFi運用までの流れ2(運用編)
- 【第10回】DeFi運用までの流れ3(回収編)
第一回と重複する部分も多いのですが、まず結論から先にお伝えします。
DeFiのメリットとして、手持ちの仮想通貨をDeFiサービスを利用して預け入れたり、他の人に貸し出したりすることにより、銀行にお金を預けて利子を貰うのと同じように、高利回りな配当収益を目指すことができます。
デメリットは、一般的な暗号資産の扱い(送金や取引所での売買)に比べて、DeFiサービスはやや複雑なことです。また、仮想通貨の貸し出しや預け入れによる仮想通貨の紛失や盗難などについて、すべて自己責任になります。
もう少し詳しく見ていきましょう。
【DeFiのメリット】
●仲介する金融機関がいなくても取引できる
DeFiサービスの提供サイトと個人のウォレット接続のみで取引可能。
●手数料が安い(場合がある)
無人の非中央集権型のサービス形態のため手数料が割安(ただし、イーサリアムERC20の送金手数料には要注意)
●従来の金融サービスが使えない人でも利用できる
インターネットに接続した端末さえあれば、誰でもサービスを利用できる。サービスの利用にあたって審査等も無い。
●複雑な口座開設手続きや本人確認書類の提出などが不要
DeFiサービスでは、口座開設やKYC認証など不要で、DeFiサービスにウォレットを接続するだけで利用できる。
●ハッキングの被害を受けにくい
一般的な取引所のような運用母体が存在しないため、一箇所に資産が集中することがなく、ハッキング被害に合うリスクが低い。
●保有している仮想通貨で利回り収益を得ることが可能
他人に貸し出すこと(レンディングやイールドファーミング)により、利回り収益を期待できる。2021年4月現在、一部のサービス利用で高利回り運用が可能になっています。
【DeFiのデメリット】
●複雑で専門用語も多くハードルが高い
DeFiについて理解すること自体のハードルが高い。 基本的な仮想通貨の予備知識を必要とする上、送金手順やウォレットのセットアップなど利用手順が多く複雑です。
●DeFiサービスの利用はすべて自己責任
暗号資産の送金ミスや紛失・盗難などが起こったとしても全て自己責任となり救済されない。
●中級者以上の暗号資産のリテラシーが必要
秘密鍵(復元用の12個の単語によるパスフレーズ)を紛失してしまうと、資産を二度と引き出せなくなる恐れがある。
●DeFi運用による運用損失のリスク有り(インパーマネントロス)
DeFiサービスの利用中に、預け入れた(流動性提供した)トークン価格の変動によってコイン枚数が増減する「インパーマネントロス」が発生する可能性がある(インパーマネントロスの詳細についてはこちらのサイトが参考になります)。
●DeFiバブル崩壊による暗号資産価格暴落の危険性
2021年4月現在、DeFiバブルによりDeFi関連銘柄の暗号資産価格が暴騰傾向にありますが、いつこのDeFiバブルが終了するのか、それは誰にも分かりません。もし大幅に価格が暴落した場合、DeFi運用による元本割れリスクの可能性があります。
【メリット&デメリット】
●ローリスクローリターンやリスクハイリスクハイリターンの運用を選べる
DeFiでは、運用損失のリスクを限りなくゼロに近づけることができる一方で、リスクの高い運用により高配当を狙うこともできます。リスクの高い運用では、資産を失う可能性もあります。
デメリットが多いように感じて思考停止してしまうかも知れませんが、冒頭でも触れた通り、「DeFiを活用するためには勉強が必要」「何かあった時は自己責任」の2点に尽きると言えます。
銀行を例に挙げるなら、皆さんが普段利用する日本国内の銀行では、「ログインパスワードを忘れた」「キャッシュカードを紛失した」「お金が不正に引き出された」などのトラブルについて、銀行のサポート窓口に問合せすれば、大概のトラブルについてサポート・解決してくれます。
一方で、DeFi=分散型金融と言うことで、DeFiは暗号資産の性質を持つため、仮想通貨の側面を挙げると「仮想通貨を送り間違えた」「ハッキング被害を受け仮想通貨を奪い取られた」などの場合において、当然ながら誰も手助けしてくれません。
様々なトラブルについて、すべて自分自身で対処しなくてはなりません。
それはどうしてなのかというと、繰り返しになりますが、DeFiサービス自体が非中央集権型の無人サービスになるためです。あなたのサポートを行ってくれるスタッフが存在しないためです。
DeFiにはデメリットも多いですが、知識や経験を高めれば、あとはメリットだらけのブルーオーシャンが広がっているかもしれません。
現に、暗号資産・ブロックチェーンのリテラシーが高い人たちにとって、「自己責任 ✖︎ 非中央集権型」と言う状況は、チャンスでしかありません。
一昔前に、「配当型ウォレット(高配当ウォレット)」と呼ばれるものが流行ったことはご存知でしょうか?
暗号資産を所定のウォレットに入れておくだけで毎日暗号資産が増えていく、と言うサービスのことで、月利10%を超えるようなウォレットも多数存在しました。
しかしながら、これらのサービスのほとんどには、運営企業が存在し(=中央集権型)、ポンジスキームという詐欺手法によって、預け入れた資産を出金できないなど、運営企業に奪われて泣き寝入りをする人が後を絶ちませんでした。
DeFiでは、「預け入れた暗号資産がロックされ、出金ができない」というリスクはほぼありません。暗号資産を自分のウォレットに入れたまま運用できるケースがほとんどですし、自分の好きなタイミングで操作が可能です。ただし、DeFiサービスの運営元がある日突行方をくらます可能性はありますので、プロジェクト選びは慎重に行うべきです。
全て自己責任 = リスクを自分でコントロールできる
と言えるわけですね。
以上、ざっとDeFiのメリット・デメリットについてまとめてみましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
メリットを読んで「良しやってみよう!」と思われたか、それともデメリットをみて「自分には無理」と思われたか、どちらかではないでしょうか。
まだまだ始まったばかりのサービスですので、分からないことや不明点が多いのが実情ではないかと思いますが、興味があれば「とりあえず少額の資金で検証してみる」というのが、一番良い選択肢だと思います。
何事もまずは試してみる!
そして分からないことは自分で調べてみることによって、DeFiについての理解度を高めることも出来ますし、もしかすると何か大きなチャンスをつかむことができるかもしれません。
次回第3回講座では、もう少しだけDeFiについての解説を行い、第4回講座からは実際にDeFiの使い方について解説していきます。
次回以降の講座もどうぞお楽しみに!
- 【第1回】DeFi(分散型金融)とはなにか
- 【第2回】DeFiのメリット・デメリット(DeFi運用のリスクも含む)
- 【第3回】DeFiサービスの種類(ETH系、BSC系) について
- 【第4回】国内取引所からバイナンスへの送金方法
- 【第5回】バイナンスの使い方 (BNBの購入方法)
- 【第6回】Safepalの使い方 (アプリのインストールから設定方法まで)
- 【第7回】PancakeSwapの使い方
- 【第8回】DeFi運用までの流れ1(準備編)
- 【第9回】DeFi運用までの流れ2(運用編)
- 【第10回】DeFi運用までの流れ3(回収編)