LINEの仮想通貨LINK(リンク)は国内上場でどうなるのか2
こんばんは、あっくです。
こちら(↓)の記事の続きです。
2020年4月移行に、LINEの仮想通貨LINKが国内のBITMAXという仮想通貨取引所に上場します。
BITMAXへの上場によって、LINKの価格はどのように動くのか。
現在分かっている範囲で考察したいと思います。
ここでの考察は、何か一つの発表でガラッとひっくり返る可能性もあるので、その旨ご了承くださいm(_ _)m
LINKは500円固定のステーブルコイン?
前編の記事で触れたように、仮想通貨LINKは、500円固定のステーブルコインのようにも解釈できます。
- 国内では、仮想通貨LINKの代わりに、LINK Pointが使用される。
- 1LINK Pointは500円に相当する。
- LINKのBITBOX上場初値は5ドル(約500円)
- LINKおよびLINK Pointの総発行量は計10億
日本語のLINK紹介ページでは、このように書かれていて、
LINKとLINK Pointの総発行量が横並びで書かれているため、余計に等価なのでは?と勘ぐりたくなります。
ですが、LINKは500円のステーブルコインではなく、1LINKと1LINK Pointの価値は異なると予想します。
まずはシンプルに、1LINK = 500円(1LINK Point)になると、現在価格(↓)でLINKを購入した海外のホルダーが黙っているはずがありませんよね。
LINE傘下のLVC社は、BITFRONTという仮想通貨取引所を運営しており、LINKが唯一上場している取引所がBITFRONT(2020年2月27日に、BITBOXからBITFRONTへ名称が変わりました)。
先日、取引所がリニューアルされましたが、リニューアル後はLINKを全面に出したデザインになっています。
BITFRONTサイトのスクショの通り「LINKを買ってください」と言わんばかりに、トップページにLINK情報がたくさん載っていますよね。
これほど全面に押し出しておいて「実は500円でした」となるとは考えにくいですし、他にもいくつかの理由があり(後述します)、LINKが500円に調整されることはまず無いだろうと考えています。
したがって、国内のLINE傘下の仮想通貨取引所BITMAXでのLINKの上場初値は、BITFRONTで取引されているLINKの価格に近いはずと予想します。
LINKのトークン設計と国内での取り扱い
LINKのトークン設計の中で、価格に影響しそうな2つのことをご紹介します。
①ICOなどの先行販売が行われていない
LINKは、資金調達等を目的としたICOを一切行っていません。
過去のICOで痛い目にあった方はお気づきのことと思いますが、ICOを経て取引所に上場される仮想通貨の特徴は、売り手が多く、買い手が少ないことです。
極端なことを言えば、ICOを経て上場した仮想通貨は、ICOに参加した人くらしかその通貨のことを知らないケースも多いです。
- 売りたくて仕方ない大勢のICO参加者(価格が下がる傾向)
- 認知度が低く買い手がいない(価格が下がる傾向)
このような構図となり、多くの仮想通貨プロジェクトが沈んできました。
LINKは、ICOなどの先行販売を行っておらず、上場前にLINKを大量購入した大口ホルダーなどもいないため、売り圧の心配はそれほどありません。
それどころか、LINEは国内の知名度が圧倒的ですし、上場時の発表の仕方によっては、かなり多くの買い手が現れると思われます。
なにせ、LINEアプリとYahooニュースで「国内LINK上場」のニュースを出すと、国内1億人に情報が届くポテンシャルを秘めていますからね。
- ICO参加者による売り圧がない(価格が維持される傾向)
- 認知度が高く買い手が付きそう(価格が上がる傾向)
国内上場後のLINKの価格は、上昇が期待できるのではないでしょうか。
②トークン発行数と時価総額
英語版のホワイトペーパーでも、LINKの発行上限は10億枚と書かれています。
発行枚数の多い仮想通貨は、時価総額が膨れ上がる傾向にあります。
時価総額が膨れ上がりすぎると、投資家に割高な印象を与え、価格の下落に繋がりかねません。
そのような可能性のある例として、LINEと同業のメッセージングアプリ「テレグラム」が発行した仮想通貨GRAMを取り上げてみます。
Teregramが発行する仮想通貨GRAMは、2018年2〜3月に、プライベートセールICOで20億枚を販売し、約17億ドル(1,800億円)を集めました。
1枚あたり、約0.85ドル(90円)の格安で販売した計算です。
そして2019年に、仮想通貨取引所Liquid、Upxide、Cross exchangeなどで、1枚あたり3〜4ドルの価格でIEOを実施しました。
※Cross exchangeでは、GRAMと等価のXGRAMを条件付きで1.5〜2ドルで販売。
IEOで販売されたGRAMの枚数はトータルで1億枚にも満たないのですが、すでに発行(配布)済みの20億枚という数字が問題です。
IEOで1枚4ドルで売られていますので、GRAMの上場初値は4ドル以上になると思われ、その場合の時価総額は、20億✕4ドルの80億ドル(8,800億円)。
IEO時で販売された枚数や、上場時に取引所に配られる枚数、運営元が保有する枚数などを合わせると、1枚4ドルの場合のGRAMの時価総額は1兆円を超えるはずです。
XRPの現在の時価総額は約1.1兆円ですので、GRAMはXRPの時価総額に迫る計算になります。
何が言いたいのかというと、時価総額が膨れ上がり過ぎているように見え、1GRAM4ドルという価格は、トレーダーに割高な印象を与えるのではないか、と心配しています。
また、GRAMをプライベートセールICOで購入した人は、すぐに売却できない(ロック期間が設けられる)そうですが(GRAMに関する関連記事)、どこかのタイミングで大量に売られる恐れがあり、価格下落を招くかも知れません。
なお、GRAMは4/30までに動きがあると思われます(Gramの有価証券問題)。
では、LINKの発行枚数と時価総額を計算してみます。
LINKの発行上限10億 ✕ 1,300円(現在の1枚価格)
= 13兆円
現在のビットコインの時価総額が約17兆円なので、時価総額が膨れ上がりまくっている計算。
ということは、現在のLINKの価格1,300円というのは高すぎるということなのでしょうか?
ホワイトペーパーにヒントが隠されています。
- 発行開始から3年間で1億枚を上限とする。
- その後、毎年5%ずつ増加する。
3年後に1億枚発行されていた場合、時価総額は約1兆3000億円(取引所にあるLINKは無視する)。
1億枚発行という数字は3年後の最大値なので、LINKの現在価格が極端に高いというわけではなさそうです。
加えて、現在のLINKの時価総額は、BITFRONTのサイトで確認でき、しばらくの間は上の議論をするまでもないことが分かります。
(↓BITFRONTのトップページ)
現在のLINKについて、
- 発行枚数は、約480万枚
- 時価総額は、約5700万ドル(約63億円)
仮に、国内のBITMAXに、BITFRONTと同数の480万枚が配布された場合でも、時価総額は126億円。
BITFRONTの倍の枚数が割当てられたとしても、発行枚数1,440枚で、時価総額は189億円程度。
文章だと分かり辛いので、いくつかのパターンでLINKの時価総額を計算し、その時のLINKの時価総額順位を表にしました。
現在は、
- 発行枚数は、約480万枚
- 時価総額は、約5700万ドル(約63億円)
なので、オレンジの辺りに位置します(カッコ内の数字はCoinmarketcapの時価総額の順位)。
LINKの価格が2倍になり、発行枚数が3倍になったとしても、時価総額ランクは30前後。
どのケースでも時価総額が膨らみすぎることはなく、相対的なポジションとして悪くありません。むしろ時価総額の順位では控えめな位置にいるのかも知れません。
LINEの発行枚数は時間経過とともに(dAppsが利用されるほど)増え、時価総額が上がっていきますが、仮想通貨市場自体が成長すると考えると、GRAMのような不自然な時価総額にはならないことが分かりました。
したがって、LINKの価格は上昇するのりしろが十分にあると言えるのではないでしょうか。
ここまでを振り返ると、国内上場後にLINKの価格が下る要素はほとんどなく、価格上昇が期待できるのですが、まだ気になる点が残っています。
例えば、BITMAXは、仮想通貨取引所ではなく仮想通貨販売所だということです。
BITMAXは取引所ではなく販売所
すでにLINKが上場しているBITFRONTは、仮想通貨取引所です。
一方、4月以降にLINKが上場予定のBITMAXは、仮想通貨販売所です。
BITMAXでは、BTC、ETH、XRP、BTC、LTCの5種類が取り扱われていて、全て販売所による売買です。
上場予定のLINKも販売所サービスによる売買という前提で進めます。
まず、取引所(BITFRONT)と販売所(BITMAX)の違いについてですが、
取引所(BITFRONT)では、買いたい人と売りたい人(ユーザー同士)の取り引きによって(需要と供給のバランスで)、LINKの価格が決まります。
販売所(BITMAX)では、運営側がLINKの取引価格を決めます。
BITMAXの運営者は、BITMAXでのLINKの売買価格をどのように決めるのか?
おそらく、BITFRONTでのLINKの価格を目安にするはずです。
そして、このことが正しければ、
日本のBITMAXにLINKが上場する
↓
BITFRONT利用者がLINKの価値に気付く
↓
BITFRONTでLINKの買い手が増える
↓
BITFRONTのLINKの価格が上昇する
↓
BITMAXのLINKの売買価格が上昇する
という流れでLINKの価格が動くと思われます。
つまり、日本の仮想通貨トレーダーは、LINKの価格に影響を与えない、という何とも拍子抜けな結論になります。
少し余談ですが、
BITFRONTでLINKの価格が変化し、それに合わせてBITMAXでのLINKの売買価格が決まる場合、取引所間の価格差を狙ったトレードで利益を得られそうな気がしますが、スプレッドが広いはず(売買手数料が高いはず)なので、おそらく難しいです。
加えて、BITFRONTで購入したLINKをBITMAXで売却する、ということも難しいです(多分できません)。
なぜなら、
- BITFRONTは、日本居住者は利用できない。
- BITMAXは、日本居住者しか利用できない。
という制限があるためです。
BITFRONTとBITMAX間でLINKを送金しようものなら、「私、不正利用してます」と名乗るようなもの。
「LINKを投機対象にされたくない」「LINE Token Economy構想を成功させたい」
というLINE社の叫びが聞こえてくるのは私だけでしょうか。
では最後に「私ならこうするかも」というLINK買い方を紹介して終わりにしたいと思います。
LINKを買うならこう?
BITMAXへのLINE上場時期は、「2020年4月以降」としか分かっていません。
4月かも知れないし、6月かも知れないし、来年かもしれません。
誰にもわかりません。
まず、4月までにBITMAXの口座を開設し、いつでもトレードできる準備をしておきます。
そして、LINKの上場次第、購入を試みますが、例えば上場前より価格が数倍に跳ね上がっていた場合は、一旦購入を見送ります。
上場前の2倍までの価格で相場が落ち着いているなら、買うかも知れません。
また、BITMAXへのLINK上場が、6月末より前なのか、後なのかによって、購入プランを考えます。
そして、6月末までに良いタイミングで買えそうなら、購入すると思います。
6月末というのは、毎年開催されているLINEカンファレンスの時期で、今年開催されるなら、LINE Token Economyの新発表などのLINK周りの好材料に期待します。
賭けの要素があり、あまりオススメできませんが、長い間、LINK周りの新情報が出ていない分、好材料が期待できるのでは、と読んでいます。
今回も脱線を繰り返し、長文となってしまいました。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。
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