サイト独自の仮想通貨指数「CCCI」が完成しました
こちらからの続きです。
トップページに、仮想通貨指数「CCCI」を表示しています。
CCCIは、当サイト独自の「特定日の価格からの変化率を評価する指数」です。
※当初、対照CCIndexと呼んでいましたが、CCCIという名称に変更しています。
目次
背景と目的
仮想通貨市場では、時価総額(発行コイン数×価格)で見ると、ビットコイン一強時代が長く続きましたが、ここ数ヶ月でアルトコインの勢力も伸びてきています。
ビットコインとその他大勢ではなく、多数の銘柄がひしめき合う状況となったため、今後は株式市場と同様、仮想通貨市場を示す様々な指標が作られると思われます。
それに先立ちCCI30という、仮想通貨の時価総額ベースの指数が存在しています。
すでに時価総額ベースの指数があることと、指数と各仮想通貨の連動性を調べたいという目的を込めて、当サイトでは価格の変化率ベースの指数を作ることにしました。
CCCIの基本的な考え方
- 時価総額上位の仮想通貨を対象に指数を算出する。
- 各通貨の特定日時の価格を基準とする。
- 各通貨に対して、各日時における基準日からの価格の変化率を求める。
- 各日時における、変化率の平均値を指数とする。
表の例を4項目に当てはめると、次のようになります。
1. 時価総額上位の仮想通貨を対象にする。
BTC、ETH、XRPを対象にしている。
2. 各通貨の特定日時の価格を基準とする。
1月1日の価格を基準にしている。
3. 各通貨に対して、各日時における基準日からの価格の変化率を求める。
基準日からの変化率を毎日出している
4. 各日時における、変化率の平均値を指数とする。
この場合の指数は、1.00(1/1)、1.09(1/2)、1.22(1/3)となる。
CCCIの作り方
上の表の例は、1月1日の価格を基準日として、対象をBTC、ETH、XRPの3銘柄とした場合の指数(1.00、1.09、1.22)を示します。
なるべくシンプルにしたいため、上の考え方に基づく指標を作ることにします。あとは、基準日と対象銘柄を決めれば、指数作りは完了です。
基準日
2018年1月1日の終値とします。
年末年始は価格変動が激しかったため、年明け前後は避けようとも考えたのですが、以下の理由で1/1を基準日としました。
- 2017年中旬より前は、ビットコイン一強に近い状態だったため、平均値を算出するならそれ以降の方が良いと考えた。
- 2017年中旬以降は、ほとんどの通貨が暴騰したものの、通貨によって暴騰の時期が異なるため、全体の上げ相場が落ち着いた時期を基準にした方が良いと考えた。
- 年の区切りを基準にした方がわかりやすい。
対象の仮想通貨
現時点(2018年3月)のcci30で扱われている通貨と同じ以下の30銘柄とします。
Bitcoin、Ethereum、Ripple、Bitcoin cash、Litecoin、Neo、Cardano、Stellar、Eos、Iota、Dash、Monero、Nem、Ethereum classic、Tron、Tether、Nano、Omisego、Lisk、Qtum、Bitcoin gold、Icon、Zcash、Binance coin、Verge、Bytecoin bcn、Stratis、Populous、Siacoin、Audor
※この30銘柄の時価総額を合計すると仮想通貨全体の90%以上の割合を占める
指数のチャート表示
CCCIのチャート
求めた指数をチャートにすると、次のようになります。
CCCIとcci30のチャート比較
CCCIは、cci30で使用されている通貨に基づくため、それぞれのチャートの形は似通うはず。ということで、それぞれを並べてみます。
グラフの傾きがやや異なるものの、似た形になることが確認できました。
指数と各仮想通貨の変化率との比較
いくつかの代表的な仮想通貨とCCCIを比較した結果を紹介します。
時価総額トップの仮想通貨
- ビットコインのライン(赤)は、1月から2月初旬までは指数(青)より下に位置しているが、後半は盛り返して指数を逆転している。
- イーサリアム(橙)は、1月中旬まで高騰し、その後は相場全体に引きずられて他の通貨と似た図形を示す。ほぼ全期間で1月1日の基準を裏回っている。
- リップル(緑)は、1月初旬に大きく下落し、苦しい状況。特に悪い材料がないため、買いのチャンスか?
- ビットコインキャッシュ(紫)は、ビットコイン(赤)に似た推移を示している。
それぞれの通貨の詳しい考察は省略します。
特徴的な仮想通貨
- リスク(赤)は、1/31にBitflyerに上場し、一時的に価格が高騰。2/20にリブランディングが行われ好材料と思われたが、その後大きく下落している。
- ネム(橙)は、1/26にcoincheckで流出事件が起きたが、取引規制が行われたことにより、その日の下落は抑えられた。しかしその後、徐々に下落している。
- ネオ(緑)は、1月中旬まで暴騰が続く。1/25に始まったWeiss ratingsによる格付でイーサリアムと同等の高スコアだったため、そこでも価格を上げている。
- テザー(紫)は、USドルの価格に連動するため、テザー疑惑があったものの、変化なし。
まとめ
指数作成において、次の2つの目的を掲げていました。
- 仮想通貨全体の増進や減退がわかる
- 個々の通貨とその指数を比較できる
1番については、時価総額ベースの指標「CCI30」のチャートと似た図形になっているため、目的を果たせたと考えています。
2番についても、指数と変化率のチャートの比較を行うことができました。
このページの上部及びトップページに掲載しているCCCIは、リアルタイム(日次)で自動更新されるようにしています。
1年後か2年後に、CCCIと各仮想通貨を比較すると、残酷にも、生き残る通貨や消えゆく通貨のターニングポイントの様子などを見ることができるかもしれません。